転職が当たり前の時代に?

年代ごとの転職回数

転職の一般化

もともと日本社会は終身雇用と年功序列をベースにした企業文化を形成し、さらに戦後は自営業者ではなく多くの人が企業に勤めるサラリーマンとして生きていく時代だったため、転職を行うということは特別なことでした。それも悪い意味で特別視されることが多く、1箇所で勤め上げることのできない半端者という認識だったのです。しかし海外、特にアメリカの場合は全く異なる評価を受けており、諺にも転がる石は苔をつけないと言われ、転職を繰り返す様な転がる石ほど苔の様な汚いをつけていない、つまり一箇所に居続ける人間は堕落してしまうというほどです。
しかしここ十数年ほどになってようやく日本もアメリカの様に転職を行うことが一般的な社会へと変わってきました。転職を行わないことを当たり前のこととさせてきた終身雇用制度や年功序列制度の崩壊などの影響は大きいでしょう。またITや介護などに代表されるような急成長する新産業の登場によって、中途転職者への需要が大きく拡大したことの影響も大きいと思われます。

20代

ここからは、こうした変化によって今の人が年代別にどの程度転職を行っているのかを、データをもとに見ていきましょう。
まず20代から見ていきますと、まず転職を経験したことのある人材は63%ととても多く、20代のタイミングで既に半分以上の方が転職を経験しています。ただし転職の平均回数は0.97回と決して多くはありません。20代は一部の人が1から2回転職しているような状況と言えるでしょう。なお20代の人の転職理由ですが、人間関係の問題やそもそもキャリア選択のやり直しのためなど多様です。日本の制度では、新卒で社会人になるタイミングではまだ世の中のことをよくわからない状態であり、そうした状態で仕事を決めなければならなかったため、社会が見えるとともに考えが変わるということも多いのかもしれません。

30代から40代

次に30代ですが、転職の経験者は80%で転職の平均回数は1.95回に上昇しています。また40代の場合転職経験は86%とさらに上昇し、転職の回数は2.55回とこれもまた上昇しています。こうした上昇の背景ですが、20代の様に人間関係やキャリアの描き直しの延長という理由は大きいでしょう。またその他に、30代以上になると出産経験者の女性も増えますが、出産を機に退職や転職を行う女性も多いのでその影響もあると言えるでしょう。

50代から60代

最後に50代と60代の転職ですが50代の転職経験者割合は84%、また60代は82%と少し減少します。回数は50代が2.57回で60代は2.36回とこれも若干の減少傾向で、転職が一般的でなかった時代に過ごした影響と言えるでしょう。

年齢で見る転職のコツ!
管理人は20代の頃と30代の頃、そして40代の頃にも転職を経験しました。そうした経験から転職は何歳でもできるけど、年齢ごとにコツや方法論、気をつけるべきポイントには様々な違いがあると感じており、そうしたことの情報提供を当ウェブサイトでは行っています。なお管理人への連絡は【メールフォーム】までお寄せください。